妊婦は誰が救えたか
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奈良県に住む妊娠3ヶ月の妊婦が、
「流産するかも」と腹痛を訴えスーパーで倒れ
救急車を呼んだのは午前2時30分。
しかしスーパーから2キロ足らずの病院に、
救急搬送を断られ
大阪府の病院に次々に救急依頼。
40キロ以上離れた10個目の病院に、
ようやく搬送することが決まる。
が、救急車と軽自動車が交通事故を起こし
搬送には更に時間を要し、
病院に到着した時には、すでに流産していた。
奈良県では、昨年も妊婦が
19もの病院に救急搬送をたらい回しにされ、
結局命を失うという惨事が起きている。
今回、この教訓は活かされぬままに、
胎児は生まれ出ことのない命となってしまった。
私たちは、119番に電話すれば
直ちに救急車が駆けつけてくれ、
到着したなら迅速に病院に搬送してくれるという
信頼の下で日々の生活をしている。
だからこそ、救急車を
タクシー代わりに使用するような人々が出てくるわけで
裏を返せばそれは、
わが国の救急医療への信頼の厚さを
表しているのではないだろうか?
失われた命について、どこに憤りを向けるべきか?
くり返された過ちの全責任を、
地方自治体である奈良県に求めることは
酷なことだろうと思う。
研修医制度の改正により、
研修医が都市の大学病院に集中し、
更に産婦人科医・小児科医・外科医・救急医 など
勤務が過酷な科の医師のなり手は
激減しているという。
廃墟のようになった地方の病院が、
機能不全に陥り、
高齢者や妊産婦の診療が出来ない例は珍しくない。
もはや「地方の力」ではどうにもならない問題なのだ。
舛添新厚生労働大臣は、
訓示の中でこの件を取り上げ、職員を激励した。
母親の介護経験を
大臣としての仕事にいかに活かしていくか
大変興味のあるところであるが、
それ以上に、医療 -特に地方の救急医療- に
どのように取り組み、どう解決してゆくのか
是非見守ってゆきたい。


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